ここはとある都内のオフィスの一角。
最近、PowerBuilder を学び始めたお嬢様系若手社員、鉄久乃 レイラ(てくの れいら)さんがまたも頭を悩ませているようです。。。
レイラ「さっき、先輩が会議で話していた『マイグレーション』ってなんですの…?
IT 界隈、横文字多すぎンゴですわ…」
先ほど行われていた会議で出た『マイグレーション』というキーワード。レイラさんは何のことかさっぱりで、会議の話自体がちんぷんかんぷんになってしまったようですね。
それでは今回は、マイグレーションについて、IT 経験が浅めのレイラさんにもわかりやすく解説していきましょう!
レイラ「よろしくお願いしますわ~!」
IT 用語としてのマイグレーション( migration )とは、簡単に言うと「システムのお引っ越し」のことです。
システムやデータといったアプリケーション・ソフトウェア資産を、ある環境から別の新しい環境へ移行するプロセスを指します。
PowerBuilder もリリースから早 30 年以上が経過しました。この間、新しいバージョンが段階的にリリースされてきた背景から、古いバージョンの PowerBuilder を使用している場合は、新しい PowerBuilder へマイグレーションすることが推奨されています。
レイラ「なるほどですわ!
でも、なぜわざわざシステムを引っ越しする必要があるのかしら?
ぶっちゃけ…システムが動いているなら、ひとまずそれで OK ではなくて?」
その考えは超甘いですよレイラさん!
マイグレーションする理由は様々ですが、例えば以下のようなものが挙げられます。
長年使っているシステムは、どうしても古くなってしまいます。
最新の技術を取り入れた、より高性能なシステムに移行することで、業務効率を向上させることができます。
古いシステムではセキュリティ対策が不十分なことがあります。
新しい環境では最新のセキュリティ技術を導入することで、リスクを軽減できます。
古いシステムでは、他の新しいソフトウェアやハードウェアと互換性がなくなることがあります。
マイグレーションを行うことで、これらの問題を解決できます。
ベンダー (製品やサービスを作った会社) が古いシステムやソフトウェアのサポートを終了すると、それに伴うリスクが増大します。最新のシステムに移行することで、引き続き適切なサポートを受けられる状態を維持できます。
ですので、マイグレーションをしないで古いシステムをそのまま使い続けていると、企業は遠くない未来にさまざまなリスクや課題に直面する可能性があるのです。具体的に挙げるならば・・・
・システムの老朽化&パフォーマンス低下
・セキュリティリスクの増大
・ビジネスの柔軟性低下と機会損失
・法令遵守の困難化 etc…
とまあ、後々えらいこっちゃなりそうなフラグを、知らないうちに自ら立てることになるかもしれないんです。
レイラ「甘かった・・・爺やが焼いたケーキよりも甘かったですわ・・・ッ!」
腰が重いのも十分にわかるんですが、マイグレーションは避けては通れないシステムの通過点なんですよね。
例えば最近の話題ですと・・・
今なお使用ユーザーが多い Windows 10 ですが、 2025 年 10 月をもってサポートが終了してしまいます。
つまり 2025 年 10 月以降の Windows 10 は、セキュリティ更新やテクニカルサポートが提供されなくなるということなので、使用している場合は Windows 11 へのバージョンアップが推奨されます。
ちなみに、PowerBuilder 日本語版 では、2024 年にリリースした PowerBuilder 2022 R3 で Windows11 が正式にサポートされているので、このタイミングを機にぜひマイグレーションを検討いただければと思います。
レイラ「マイグレーションの重要性はわかりましたわ…。
でも、PowerBuilder のマイグレーションって実際どんなかんじなのかしら?
イメージが湧かないけれど、なんだかとってもめんどくs…難しそうですわ…。」
今面倒くさいって言いかけました(^^)?
確かに「PowerBuilder のマイグレーションするぞ!」といっても、リリースから 30 年以上の歴史がある PowerBuilder 。
使用している環境や、「PowerBuilder のどのバージョンからどのバージョンへマイグレーションするのか?」といった問題によって、作業量はそれぞれ変わってくるでしょう。
レイラ「かなり古いバージョンから最新のバージョンへマイグレーションする場合なんかも特に不安ですわね。同じ PowerBuilder でも、使い方や知識もガラッと変わってしまうのかしら…。」
基本的には古いバージョンで使用していた既存の知識も活かせると思います。バージョンが変わっても、PowerScript の構文やデータウィンドウの設計などの開発ノウハウは、最新バージョンでも十分に活用できるでしょう。
ただし、移行過程のなかで非推奨や廃止になった機能も存在しているので、そういったポイントについては情報を調べて対応することが必要ですね。
レイラ「なるほどですわ!そういう変更が必要な部分や、マイグレーションの具体的な実施方法ってどこかに紹介されてないかしら?自分で全部調べるのはちょっとめんどくs…大変そうですわ。」
また面倒くさいって言いかけました(^^)???
そこでコチラ!ポータルサイトでは、マイグレーションの手順書を公開してしています。
こちらでは、旧バージョンの PowerBuilder から Appeon PowerBuilder 2017 以降へのマイグレーション手順を解説している資料になっています。加えて、各バージョンごとの変更点も紹介しているので、ぜひ事前に確認してみてくださいね。
あわせて Appeon 社が提供している「Upgrading PowerBuilder Applications」にも、コード例やアップグレード情報が掲載されておりますので、あわせてぜひご参照ください。
また、マイグレーション作業での注意点や、非推奨機能や廃止機能の手作業での変更が必要になる可能性のあるポイントを、こちら👇の記事で紹介しているので、ぜひご覧ください。
レイラ「ひとまず今回の講座で、マイグレーションがどういったものなのかについてはわかりましたわ!
先輩たちが話していたってことは、うちもマイグレーションを検討しているのかしら…?
気になるからあとで聞いてみましょう!」
今回はマイグレーションについて学習したことでまた一つ、システムへの関心も強くなったレイラさん。
引き続き、彼女の成長に乞うご期待!です。
初心者令嬢の PowerBuilder 奮闘記 シリーズ
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